取り組み008

化学物質.gif有害化学物質に対する対応

【背景・概要】

化学物質被害

 近年、シックハウス・シックスクール症候群や化学物質過敏症など、従来の公害被害とは異なる新たな化学物質被害が発生し、増加傾向にあります。これらの被害については、未だその発症メカニズムや原因物質、治療方法についての知見が著しく不足しており、被害者の救済にはまったく手がつけられていません。

テレビ番組でも取り上げられました

2006年8月13日(日)/55分枠
カナリアの子供たち 検証・化学物質過敏症制作=日本テレビ

20060813.jpg防護マスクをする化学物質過敏症の子供以下番組のHPより
防護マスクをする化学物質過敏症の子供微量の化学物質に反応するカナリアの様な子供が増えている。校舎の空気中の化学物質で不整脈や呼吸困難など身体症状を訴える他、神経中枢を侵され学習障害や鬱病で登校できなくなる小学生もいる。過敏になった原因は田畑や街路樹の農薬散布、新築の建材・畳の防虫剤などの有機リン剤とされる。田畑が多い地域に越してまもなく『化学物質過敏症』になった阿形深雪さん。長男(6)も空気に化学物質が混じっていると様々な症状を示す。理解されにくい化学物質過敏症の現状を探る。
ナレーター:高島雅羅

被害者の実態

 先日、市内在住の化学物質過敏症で悩む方とお話をさせていただきました。どういった場面で化学物質に反応するのか教えていただきました。

○農薬
街路樹・学校などの樹木・庭木などに散布される農薬

○防虫剤
一般家庭(シロアリ駆除)・公共施設・交通機関(電車等)に使用される防虫剤

○建材
壁や床などの建材・畳の中の防虫シートなど

○難燃剤
パソコンなどのプラスチックやカーテンなどに含まれる難燃剤

 などなど、普段は目に付きにくいところに有害化学物質が含まれており、日常生活や外出時にはその全てを事前にチェックしておかないと大変なことになるとの事でした。

 そういった意味で被害者の方々は人知れない苦悩を抱えておられ、また、一旦化学物質過敏症になると、その後少量の化学物質にも反応してしまい、その体質は終生変わらないらしいです。

 現在、苦しんでおられる方々への救済の道筋を作っていく必要性とともに、これからの未来を背負っていく子供たちを、こういった化学物質から守っていく取り組みが緊急の課題であると考えます。

参考

なごやの化学物質情報(PRTR等)
名古屋市公式ウェブサイト
 名古屋では有害化学物質に関する情報を市の公式ウェブサイトにて公表しています。

世田谷区 無農薬の取組み
世田谷区公式ホームページ
 世田谷区では、学校施設の樹木を無農薬で管理しています。


【平成19年9月議会にて質問】

 以下、議会での質問です。

 続きまして、有機リン系薬剤の使用についてお伺いします。
 近年、化学物質に接する機会が急増し、人々の健康や生態系への影響が懸念されています。特に樹木等に使用される農薬や、建築物で使われる殺虫剤において、有機リン系の薬剤はその神経毒性が子供たちに影響をあたえるのではないかと懸念されています。またその被曝が化学物質化敏捷の発症の契機になる場合もあると言われております。

 先日、市内在住の化学物質過敏症で悩む方とお話をさせていただき、地域社会全体としての取り組みの必要性を感じました。そこで池田市での有機リン系薬剤の使用について調べさせて頂きますと、現在、街路樹等への農薬では一切されていませんでした。

 しかし、市有施設の建築物における害虫防除用の薬剤使用に関しましては、それぞれの施設の責任者の方が直接業者に委託されるとの事で、中には有機リン系の薬剤を使用していた施設もあり、また行政としてもこれをチェックできる部署もありませんでした。唯一契約検査課で業者との契約をチェックできるという事で、その時点で有機リン系薬剤の使用を控えるように伝達していただくことをお願いしました。

 そこでこのようなチェック機能も含めて、有害化学物質の被害で苦しむ市民の方々への対応全般にわたる行政窓口が設置できないものか質問いたします。

 また、この件は全国的にも問題となっており、市有施設における薬剤散布状況を調査し、その結果を市のHPにて公開している市もあります。池田市でもこういった調査・公開をしていただければ、多くの市民の方が安心して公共施設を利用できるようになると考えますが、実施していただけないかお尋ねします。

 それと併せまして、本年1月の農水省からの「住宅地等における農薬使用について」によりますと、これまでの病害虫発生に関わらない定期的な農薬散布でなく、病害虫の発生状況に応じた適切な防除を行うように記されています。

 さらには、行政区内の小中学校・幼稚園の校庭樹木について原則無農薬で管理されているところもあります。病害虫発生の場合は発生部分の剪定で対処し、病害虫が樹木全体に広がったりしてやむを得ない場合のみ薬剤散布を実施し、これにより農薬の使用量を劇的に減らすことができております。

 そこで子供たちの安全を護るという観点から、池田市の学校施設や公園における現在の農薬散布状況及び、それらを無農薬で管理できないものかお尋ねします。

【再質問】

 建物の施設に関しての答弁でありましたが、まだまだ各施設が自主的に対策してるということで、市として一元化してそれをチェックする機能としては難しいということでありましたが、今後、そういった形のチェック方法をとれるような形でよろしくお願いしたいと思います。

 また、それとあわせまして、この建物に対する薬剤散布に関しまして、IPMという取り組みがあるというふうに伺っております。IPMというのは、建物等において考えられる有効、適切な技術を組み合わせて利用しながら、人の健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとどめる方法であると、このように伺っております。

 例えば、日ごろからごみを放置しないであるとか、清掃を徹底する、また壁のすき間をふさぐ等して、またそれにあわせて、薬剤の散布もあわせてこの病害虫の防除に取り組むと、そういった方法もあるというふうに伺っております。そういった部分も含めて、再質問させていただきます。

【答弁】

 以下、上記質問に対する答弁です。

(市民生活部長)
 それから、有害化学物質についてのご質問でございますが、大きく有害化学物質の管理につきましては、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、ちょっと長うございますが、いわゆるPRTR法という法律がございます。これによりまして、大阪府の所管に属するところでございます。

 この法律に基づきまして、大阪府に届け出を行っている事業所は、池田市内でガソリンスタンドなどを中心に19事業所がございます。

 ご指摘の有機リン系の薬剤に特定いたしますと、これは住宅用の建材、それから家具、壁紙などに含まれるホルムアルデヒドなどのシックハウス症候群の原因になる化学物質でございますが、これらにつきましては、建築基準法におきまして基準が設けられておりますので、都市整備部建築指導室において使用制限等の指導を行っております。

 なお、有害化学物質による健康被害への対応ということになりますと、これは保健所の所管になるものと考えております。

 それから、市有施設での薬剤の散布についてでございますが、これは各施設で個別に実施しておりまして、対象施設も多く、また実施形態も多様でございます。今後、その実態についての調査のあり方等について、関係部局で協議を進めていきたいと考えております。以上でございます。

(建設部長)
 多田議員さんのご質問の中で、市内の学校、公園の樹木管理についてご答弁申し上げます。

 本市では、平成15年9月に、農林水産省から出されました住宅地における農薬使用についてという通達に従いまして、農薬の使用をできるだけ抑えるようにしております。しかし、全く農薬を使わないで管理するということは、現実には大変困難でございます。

 本年6月に、公園樹・街路樹管理マニュアルをまとめたところでございますが、農薬の予防散布を避けまして、病害虫の発生を確認したときのみ、薬害の少ない農薬散布を行うなどの指針を設けておるところでございます。

 今後も、農薬の使用については、人や環境への影響に最大限の配慮を行っていく所存でございます。

【再質問に対して】

 それから、施設ごとの薬剤散布につきましては、これは一度関係部局の方で現状について調査し、検討する必要があるかなと思っております。以上でございます。