取り組み009

防災協力.gif市内事業所との防災協力

【背景・概要】

防災協力活動の重要性
(総務省消防庁 災害時における地方公共団体と事業所間の防災協力検討会 報告書より)

○尼崎市列車事故における事業所の防災協力
防災協力1.gif 平成17 年4 月25 日午前9 時19 分ごろ、JR福知山線尼崎-塚口間で宝塚発同志社前行き快速電車が脱線した。
 7 両編成のうち、1~2 両目が横転、線路東脇のマンションの一階駐車場に激突し、先頭車両はマンションの1 階と地下にめり込むよう、2 両目はマンションに沿って巻きつくようにして大破し、多数の乗客が閉じ込められた。
 周辺事業所において、①大破した車両からの被災者救出、②救出された被災者の安全な場所までの誘導・搬送、③被災者の応急手当、病院への被災者の移送等の防災協力活動が行われた。
 この際、①事業所トップの的確な判断、②事業所としての組織力の活用、③事業所それぞれの事業内容と能力に応じた活動の展開、④行政が対応するまでの迅速な初動対応、が行われ、事業所の防災協力が大きな成果を上げることとなった。
 なお、救助活動を行った事業所のうち「日本スピンドル製造株式会社」は、同年秋の褒章において、人命救助に尽力した個人や団体に贈られる紅綬褒章を受章している。

○阪神・淡路大震
 地震後、火災が発生。このとき事業所の自衛消防隊隊員が地域の消火活動に出動し、住民と協力して火災の拡大を食い止めたほか、事業所の体育館を避難所として提供した。
 また、日本火災学会の調査によると、阪神・淡路大震災で生き埋めや閉じ込められた人のうち3 割は、友人、隣人、通行人により救出・救助されており、迅速な初動対応を効果的に行い被害の軽減を図るためには、地域住民、事業所の防災協力活動への取り組みが不可欠である。

防災協力協定

 上記2例に見られるように、災害時において、自助、公助とともに、共助の重要性が、被害軽減、早期復旧には欠かせないものと認識されています。

 特に地域における、住民、ボランティア、事業所が助け合う仕組みの構築が重要です。特に、災害時における地域防災力をより一層強化するため、地域に所在する事業所に対し防災協力活動を求めていくことは、今後の重要な施策の一つです。

 平成17年12月に消防庁の「災害時における地方公共団体と事業所間の防災協力検討会」がとりまとめた報告書において、「事業所の防災協力促進のための7つの提言」が示されていましたが、今年6月、この提言に基づいた優良・先進的な取り組み事例をまとめた事例集も公表されました。

 防災協力協定とは、一般的に、行政と事業所間であらかじめ協定書や覚書を交わし、災害時等における事業所の協力を実効性あるものとするためのもので、事業所や業界団体(例えば、建設業協会、トラック事業協会等)との間で包括的な協定を結ぶという手続きによって、事業所の責任を明確にするものです。

 事業所は地域の防災力の担い手として、
・地域に密着し、被災地の近くに所在することから、迅速な初動対応が可
能である。
・平時における事業所の活動の中で培った組織力が発揮できる。
・専門的な資機材やスキルを保有し、多様な活動が可能
といった特徴を持ち、地域の防災力強化のカギを握っています。

【参考資料】

●「災害時における地方公共団体と事業所間の防災協力検討会」報告書
  ~事業所の防災協力を促進するための環境整備を提言~
平成17年12月26日、総務省消防庁発表。

●「災害時における地方公共団体と事業所間の防災協力・連携の促進に向けて」事例集の公表
~地域防災力向上に向けた先進事例から~
平成19年6月21日、総務省消防庁発表。

【平成19年9月議会にて質問】

 以下、議会での質問です。

 市内に所在する事業所との防災協力活動についてお伺いします。
 平成17年尼崎市において発生した列車事故では、本格的な救援が及ぶまでの間、被災者の救助活動にあたった事業所が大活躍をしたとのことです。

 そこで、大規模地震等の自然災害のみならず、先のような大規模事故あるいはテロ事件等への地域の対応力を一層強化するためには、地域に所在する事業所との防災協力が必要ではないかと考えます。

 池田市においては、既に某ハイヤー会社との震災時における傷病者運搬に関する協定や、ケーブルネット会社との災害時における協力体制の協定などがあります。また、来月には綾部市と災害時相互応援協定を結ぶ予定との事で素晴らしい取り組みであると評価いたします。

 しかし、まだまだ市内には大きな事業所もあり、事業所の所有している資機材の提供協定などを含めた防災協力や防災連携を進めていけば、いざという時に大変有用であると考えますが、今後の防災協定のありかたについてお尋ねします。

 つぎに、防災士の育成についてお尋ねします。防災士とは、災害時に避難誘導や救助、避難所の世話などにあたる資格を有した者のことです。

 この防災士となる為には、研修を受け「防災士資格取得試験」に合格しなければなりません。この制度は4年前にスタートして、現在では、大阪府でも682名の防災士の資格者がいます。

 こういった方が多くおられればいざというときに心強いものです。池田市としても何らかの形でこの防災士資格取得にむけて支援できないものかお伺いします。

【答弁】

 以下、上記質問に対する答弁です。

(市長公室長)
 多田議員さんの災害時における防災協力や連絡に関すること及び防災士育成の取り扱いについてご答弁を申し上げたいと思います。

 本市におきましては、災害時における応援協定等として、近隣自治体との協定、関係機関との協定、消防出動等に関する協定及び市内に所在する事業所等とのたくさんの協定を持っております。

 そのうち、市内に所在する事業所との防災協定につきましては、現在、水道事業、傷病者の搬送業務、物資等の緊急輸送業務、市民に情報を伝えるための協力体制、災害救助犬等の出動等の協定がございまして、現在、電気設備関係事業者との協定も進めているところでございます。

 災害が発生したときのことを考えますと、まさにこの各事業者との事前協定が大変重要であると考えております。今後、市民の皆様の安心・安全に寄与できますように、多くの事業者との関係でこの連携を深めてまいりたいというふうに考えております。

 次に、防災士育成についてでございますが、防災士は、住民の初期対応力を高める目的で平成14年設立のNPO法人によって認証されたものでございます。現段階におきましては、費用もかさみますけれども、まず危機管理課の職員の研修あるいはその他一般の職員との研修で、このような講習も受けさせたいというふうに考えております。

 本市といたしましては、消防部局とのより緊密な連携を深め、危機管理課の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。以上でございます。