取り組み014

脊柱そくわん症.gif脊柱そくわん症検診の見直し

【背景・概要】

市民相談にて

脊柱側わん症.gif  脊柱(背骨)が横方向に曲がってねじれる脊柱側わん症は、骨が成長するこどもの時期から思春期にかけて、特に女子に多く起こる病気です。

 早期に発見して適切な治療や経過観察を行うことで重症化を予防できることから、児童・生徒の健康診断の一項目として、検診の実施が義務づけられています。

  「最近の学校検診では、脊柱側わん症の検診で、前かがみになって検診しないのですか。」と市民の方からご相談をうけました。

 申し訳ないことに、その時点では私は脊柱側わん症について何の知識も持っていませんでした。そこで早速調べてみて、その検診方法が各市に任されていることなどを知り、私の娘にも確認をとったところ、池田市においてはどうも目視だけの検診になっているようでした。

読売新聞 2006年2月15日の記事から

発見遅らす“ザル”検診

 東京都内の小学5年生B子さん(11)は昨年6月、組み体操で馬跳びをした友達からおかしなことを言われた。

 「背中がでこぼこで、うまく跳べないよ」

 数日後、B子さんは母親と近くの整形外科を訪れた。診断は、背骨の上部が85度曲がった重度の脊柱(せきちゅう)側わん症。すでに装具で進行を止められる段階ではなく、東京都済生会中央病院(港区)で12月に手術を受けた。

 経過は順調だが、「もっと早く気付いてあげたかった」と両親。小学3年のころから1人でお風呂に入っていたので、裸でふれあう機会がなくなっていた。

 学校保健法では、側わん症を中心とする脊柱検診の実施を定めている。しかし、方法などの細かな決まりはなく、校医任せの自治体や学校が少なくない。

 東京都は公立校で脊柱検診を実施しているが、B子さんが通う私立校では女児はシャツ着用の内科検診だけだった。同級生が指摘するまで、大人たちはB子さんの体の深刻な変化に、気づかなかった。

 広島市のいずみ整形外科院長、泉恭博さんが中国地方のある県の2004年度の検診結果を調べたところ郡市の約3分の1で側わん症の発見率がゼロだった。

 学校検診での側わん症の発見率は、0・5~1%とされる。「前屈テストを適切に行えば、ゼロということはありえない。進行性の側わん症が見落とされている可能性が高い」と泉さんは指摘する。

 一方、千葉市では1980年から、背中の凹凸を写真で確認する「モアレ検査」を小学6年生全員に実施。毎年、内科の定期健診でも、子どもに前屈をさせて左右の背面の高さを見るなど、側わん症の早期発見に努めている。

 疑いが出た子どもには、エックス線検査を受けてもらう。異常があれば、整形外科医など医師10人で組織する側わん症の専門委員会が、重症度をフィルム判定。「要経過観察」や「装具治療」などの判定を保護者に伝えている。

 この委員会の判定を受ける子どもは毎年約100人。こうした取り組みで「発見後、即手術というケースはなくなった」と千葉市教委の担当者は語る。

 側わん症が見つかっても、15歳未満でわん曲が25度未満の場合、治療しなくても2割は改善し、6割は進行しない。しかし、残る2割は放置すると進行してしまう。

 済生会中央病院整形外科顧問の鈴木信正さんは「側わん症検診が十分でない自治体から来る子どもは、重症化したケースが多い」と嘆く。脊柱検診が不備な自治体や学校は、検診のあり方を早急に見直すべきだ。

脊柱側わん症2.gifモアレ写真 左:正常、右:側わん症モアレ検査 光の照射で背中に等高線のしま模様を映し出し、写真で記録する。背中に左右対称の等高線が表れると正常。側わん症で背面の高さに左右差があると、左右非対称のしま模様になる。視触診よりも客観的な評価ができる。

【平成19年12月議会にて質問】

 以下、議会での質問です。

 続いて学校検診における脊柱そくわん症の発見率についてお伺いいたします。

 脊柱そくわん症は10代の女子に多く、脊椎が左右にS字に曲がり肋骨が左右非対称になる病気です。側わんが進行すると、美容面の問題や腰背部の痛み、さらに肺機能の低下や生命の危機に関わることもあると言われている重大な病気です。治療法としては、初期であれば装具により矯正できますが、重症化すれば手術となります。

 そうしたことから、脊柱そくわん症は早期にみつけて、適切な時期に治療を始めることが重要であるということで、学校保険法に脊柱の検診が盛りこまれています。そこで、池田市における学校検診でどれくらいこの症状が発見できているのかお伺いします。

 また、その検査方法ですが、細かな決まりは無く校医にまかされており、視診・触診が主な検査方法で、検査者によりばらつきが多いとの事です。そういったことから、千葉市では小学6年生全員に、背中の凹凸を写真で確認する「モアレ検査」を実施し、さらに毎年の定期健診で子どもに前屈をさせて左右の背面の高さを見るなど、側わん症の早期発見に努めて、発見後即手術というケースをなくしたとのことです。

 池田市においてもこのような早期発見に取り組むべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

【答弁】

(教育次長) 多田議員さんの脊柱側わん症の発見率とモアレ検査等の実施についてのご質問にお答えを申し上げます。
 脊柱側わん症の検査につきましては、胸部の骨格の変形を見ます胸郭検査とともに、毎年、定期健康診断におきまして全児童・生徒を対象に、学校医によりまして視診、触診によりまして検診を実施しているところでございます。
 脊柱・胸郭検診におけます発見率につきましては、平成18年度について、児童14名、生徒9名、園児3名が発見されまして、率につきましては0.3%でございます。ちなみに19年度につきましては、児童4名、生徒9名、園児3名の発見で、発見率は0.2%となっておるところでございます。
 脊柱側わん症の検査方法につきましては、現在、池田市医師会さんともご相談を申し上げているところでございます。今後、モアレ検査等によります、より詳しい検査の実施を検討いたしまして、早期発見に努めたいと考えております。以上でございます。